
ちょっとミライの駐車場②
駐車場の自動運転車対応
自動車業界では近年大きく技術革新が進み、自動運転システムを備えた自動車の開発が進んでいます。実際、アメリカや中国では、すでに自動運転タクシーが街中を走行しています。
日本ではシステムのみで運転を行うレベル5の自動運転はまだ実現されていません。しかし実証実験や社会実装等、自動運転の実用化に向けた取り組みも実施されており、近い将来、日本においてもドライバーのいない車やドライバーが何もする必要のない車が街を走行する可能性があるのです。
では、自動運転車が普及した場合、駐車場はどのような対応が求められるのでしょうか。今回は、自動運転車と駐車場の関係についてご紹介します。
INDEX
自動運転技術による自動駐車の現状
現在、駐車時のハンドルやブレーキの操作をサポートするパーキングアシストシステムはすでに実用化されています。また、スマートフォンを使って、リモートで駐車できるシステムを搭載している車も登場していますが、これらの駐車システムを利用する際には常時監視が必要です。また、パーキングサポートシステムは、駐車時のハンドルとブレーキ操作の制御は行うものの、駐車をする場所までを車が探し出すわけではありません。
一方ドイツでは、自動車と駐車場が連携して指定の場所まで車が自走し、駐車をする自動バレーパーキングシステムが登場しています。駐車場内に設置したセンサーと車に搭載されたセンサーによって車を誘導し、駐車場の管制センターが指定した場所に駐車する仕組みです。
ただ、自動バレーパーキングシステムの導入にはまだ課題が多いため、今後、広く普及が進むかという点においては見通しが立たない状況だといえるでしょう。
自動駐車が駐車場にもたらす変化とは

自動運転・自動駐車が可能になれば、車は駐車場内を自動で走行し、自動で駐車をします。そのため、商業施設などにおいて人が駐車場まで行く必要はありません。施設のエントランスや車寄せなどで降車して施設に入り、自動車が駐車場まで自走し、車を停めるということが可能になるのです。
さらに、施設内や施設に近い場所に駐車場を完備する必要もなくなります。施設から離れた場所に駐車場を設けていても、人が施設で降車してから車だけが自動的に駐車場に向かって駐車することができるためです。
駐車場が自動運転車に対応する必要性は?
自動運転車が普及した場合、前述したように施設と駐車場の分離ができるため、駅前など、まとまった土地の取得が難しい場合でも駐車場の整備がしやすくなるでしょう。また、人が運転をしなければ、駐車場内の案内をするスタッフも不要となるため、省人化につながります。
しかし、自動バレーパーキングシステムを導入するとなると、これまでにない追加の設備投資が必要になります。そのため、今後すぐに自動運転車に対応する駐車場の整備が求められることはないでしょう。
ただし、自動運転が普及した未来には、車が自動で駐車スペースを確認できるような仕組みの導入が駐車場に求められる日が来るかもしれないということは、覚えておいた方がよいかもしれません。
自動運転対応やなど、駐車場の未来化にご興味をお持ちの方は、ぜひ三菱地所パークスのコンサルティング部までご相談ください。